情報漏えいによる被害が毎日のように大きく報道される昨今、事件が明るみに出ることで企業の信頼性が大きなダメージを受け、築き上げた取引関係にも甚大な影響を及ぼしています。個人情報漏えいに代表される情報セキュリティ事故がビジネスに及ぼす影響は非常に大きく、その対策はいまや業種や企業規模にかかわらず全ての事業者にとって必須の課題となっています。
1998年にプライバシーマーク認証制度が開始され、2003年5月に成立した個人情報保護法が2005年4月から全面施行されましたが、個人情報の漏洩事件は減るどころか輪をかけた勢いで増加するばかりであり、漏洩事件が報道記事に載らない日はないというくらいの多発ぶりです。
そして一度個人情報の漏洩事故が起こってしまうと、漏洩したデータの被害者本人は詐欺や悪徳商法の危険にさらされ、漏洩した企業は被害者や取引先企業から損害賠償を起こされます。その損害賠償額は過去の事例から一人当たり1万5000円程度といわれています。仮に1万人分の個人情報を漏洩させたら賠償額は1億5000万円にのぼり、そうなれば一般の企業はその存続も危ぶまれます。
個人情報漏洩による損害は数字に表せる実際の損害賠償額だけで済むものではなく、その企業の社会的信用の失墜という、経営危機につながる波及的な影響を及ぼします。一度流失した個人情報を取り戻すのが不可能なように、信用失墜した企業の信用を取り戻すことも並大抵のことではできることではありません。